■石窯は珈琲焙煎に適しているはず!
石窯は珈琲焙煎をするのにとてもいい条件がそろっています。プロの使う珈琲焙煎機も重く大型のものを使います。もちろん一度に大量の豆を焙煎するからですが、もうひとつの理由に、その焙煎機自体が大型で重量があるゆえに蓄熱して遠赤外線を出す効果が大きいから、ということもあるようです。 ということはこれはまさに石窯と同じです。『石窯の高温と遠赤外線で珈琲焙煎をすれば、絶対に美味しいはず。』という思いで、実際に石窯珈琲焙煎に取り組みました。
まず考えたことは、石窯で珈琲焙煎をするにはそれなりの道具が必要だ、ということです。それで考え出したのが右の写真の柄の長い焙煎機です。手元で回転できるようになっています。カゴの部分には200グラムほど生豆を入れられるサイズにしました。
■はじめての石窯珈琲焙煎
それでは実際にその道具を使って珈琲焙煎をやってみてどうだったかを報告します。
最初は300~350℃位の比較的高温の石窯で、薪が左端で燃えている状態でやってみました。いわゆるナポリピッツァを焼く時と同じ条件です。焙煎豆はブラジルの豆、焙煎は石窯のどまん中で回転させました。1回目のハゼは理想は10分から13分かと承知していましたが、この時は6~7分ほどでハゼが始まりました。少し早いようでした。温度が高すぎるのか?したがって焙煎も早めの12分ほどで完了することになりました。
写真はその時に焙煎したものです。初めてにしてはうまくいったかな?と思いましたが、はっきり言ってムラがあり失敗でした。(左写真)
その後何度かトライしましたが、やはり均一にコゲ茶色にならずムラができてしまいました。どうやら、焙煎の仕方だけでなく、焙煎機にも問題があるようです。
■ムラができる原因
焙煎中に豆の動きを良く観察すると、ムラができるのは豆がまんべんなく、絶えず回転していないからのようです。
円筒形のカゴでは回転させても豆はほとんどひっくりかえらず、まとまって横滑りを起こしていました。したがって、火に一番近い豆ばかりが熱せられて、熱の通りにムラができるようです。一つの豆を観察しても完全にひっくりかえらない豆が多く横滑りをしているので裏表が均等に焙煎されません。
もうひとつの原因は、焙煎機の軸を支持台に1点で支え、斜め前方、上向きに傾けて回転させていているため、豆がカゴの下の方に集まってしまうということです。これもうまく撹拌されない原因であると考えました。
■羽根を付けて改良
そこで、カゴ内にねじった羽根を取り付けることにしました。(右写真)
ネジってあるのは、回転させることにより、斜め上方に豆が移動するように…と考えたからです。そして、実験焙煎をしました。
結果は、羽根がない円筒形のカゴのものと比べるとムラが少なくなり、やや改善されました。…が、
それでも、完全ではありません。
何度やっても、早めに焙煎が進む豆と遅い豆と焙煎具合に差が生まれ均一にはなりませんでした。
豆の種類も変えてやってみましたが、その傾向は変わりません。これはやはり、まだ羽根の無い部分で、わずかに横滑り現象が起きているから?
もしそうだとすると、羽根の量を増やすか、あるいは羽根をより大きくするか…?
いろいろ考えましたが、そもそも円筒形という形が横滑りを起きやすくさせているようです!
そこで!
■カゴの形を四角い形に改良!
次に改良したことはカゴの形を円筒形から、四角形に変更したことです。
こうすることで、豆は絶えず撹拌され空中にいる時間が多くなります。
さらに羽根はねじった形状の金物をやめました。隙間などに豆が挟まるという不具合があったからです。
代わりにL型のアングルを四面に取り付けました。さらに回転させると、豆が上方に動くように斜めに取り付けることにしました。
また、1回で焙煎できる豆の量も400gにアップしました。
■石窯用珈琲焙煎機(改良型)…ついに完成!
このあたらしい改良角型焙煎機で焙煎実験を行いました。
その結果は、ムラができることもんなく、とても上手く焙煎ができました。こうした試行錯誤の結果、ようやく石窯用珈琲焙煎機も完成品となりました!
■ササキウッドワークオリジナル製品
石窯用珈琲焙煎機(回転支持台・収納袋付)---¥56,000(消費税込)
【スペック】
・全長:1,100mm(カゴ・柄の長さを含む)
・カゴサイズ:長さ230mm、120mm角、ステンレス製
・焙煎機重量:1.2㎏
・焙煎可能量:400g
・回転支持台:幅120mm、高さ160mm(支持高145mm~180mm の範囲で調整可能)、鉄製、一部ステンレス製
・一式価格(本体、回転支持台、広口ロート、収納袋)---¥56,000(消費税込)送料別
石窯珈琲焙煎のやり方についての詳細解説はこちら→石窯用珈琲焙煎機を使って焙煎してみよう
石窯珈琲焙煎機価格